業務の上でモバイル端末を管理する場合、そのまま利用者に渡して使うという方法もありますが、業務専用端末としての設定を行って管理する方法があります。業務専用端末とはどういうものなのか、どのように使われているのか、また、MDMとどのように併用するのかといった内容についても紹介していきます。
この記事の目次
業務専用端末とは?
業務専用端末とは、スマートフォンやタブレット端末を特定の用途に特化して使用できるようにカスタマイズしたものを指します。例えば、特定の画面以外が表示されないように固定することや、特定の操作でも設定画面にアクセスできないようにするといったカスタマイズです。中には耐衝撃、防水といった、過酷な環境で使用しても問題ないよう頑丈に作られたスマートフォンを業務専用端末として活用している場合もあります。
それだけでなく、入力キーやバーコード読み取り口などがついた、特定の業務に合わせて特化させた持ち運び可能な端末のことも、「ハンディターミナル」「業務用専用端末」あるいは「業務用携帯端末」と呼ばれることもありますが、業務専用端末の一つです。
業務専用端末はいつ普及したの?
業務専用端末としてのスマートフォンは2014年に京セラから「TORQUE」が発売されたことが先駆けとなります。
ハンディターミナルについては、初期のものは1980年代からカシオやパナソニック(当時は松下通信)といったメーカーから発売されています。バーコードが普及するようになると、バーコードスキャナを搭載するハンディターミナルが普及することとなりました。各社がカスタマイズした組み込み系の端末が活用される時代を経て、スマートフォンの時代に入り、スマートフォンにスキャナなどを外付けしてハンディターミナルとして利用するケースが増えました。直近では、Android OS標準搭載モデルのハンディターミナルも多数登場しています。結果として、業務デバイスの管理が汎用的なMDMで可能となり、専用の管理システム構築などの対応が不要となったため、従来より身軽に業務専用端末の導入が行えるようになりました。
参考資料:https://www.casio.com/jp/handheld-terminals/history/
業務専用端末はどのような用途で使われている?
例えば小売業では発注、商品管理、値引きシールの印刷、電子ペーパーの値札の操作のような用途に業務用スマートフォンを使用しています。
宿泊業では、ホテルの客室にタブレットを設置し、ホテルのインフォメーションブックをデジタル化する用途で活用されています。
業務専用端末にはどのようなものがあるの?
業務専用端末は各社から発売されています。
京セラからは業務専用スマートフォンのDuraForce EXや、TORQUEシリーズ、キーエンスからはハンディターミナルとしてDXシリーズや、DX-A800シリーズといったものがあげられます。
業務専用端末の価格は?
付随している機能にもよりますが、一般に販売されているスマートフォンやタブレットを業務専用端末とするのであれば、その端末の価格と必要に応じてスキャナなど、業務に利用する付属機器を合わせた価格となります。専用端末として販売されている端末については、一般販売されているスマートフォンやタブレットよりも高価なものが多いですが、スキャナなどの仕組みが内包されていたり、専用のカスタマイズができたり、保証範囲が広いなどのメリットがあります。
業務専用端末で、MDMはどのような用途で使われている?
宿泊業のお客さまでは、盗難対策およびキッティング・運用コストの削減に用いられています。
こちらに詳しい事例がございます。
小売業のお客さまでは、業務専用端末を発注、商品管理、値引きシールの印刷といった業務に利用されています。MDMは、それらの端末の管理一本化、キッティングの軽量化、端末に不具合が起きた場合のサポートの簡易化といった目的に用いられています。
こちらに小売業の業務専用端末の導入事例がありますので、興味のある方はご覧になってみてください。
おわりに
業務専用端末とMDMを組み合わせることで、IT管理者による一元管理が可能となり、端末情報やセキュリティの面での安全性の確保、業務用アプリケーションのインストールと設定、データのバックアップなどを行うことができるようになります。MDMを活用することで、業務専用端末として、よりセキュリティ面および、利便性を強化することができます。