株式会社NAAファシリティーズ
成田空港を技術で支えるNAAファシリティーズ。現場DXの遂行で求められた堅牢なセキュリティをOptimal Bizが実現
- スマートデバイスの導入で業務DXを図るが空港を守る厳格なセキュリティ基準が課題に。
安全な空港環境を維持するために組織的なセキュリティ対策を構築したかった
- Optimal Bizによりスマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスの導入が可能となり、保守点検業務における工数が大幅に削減。作業効率向上と合わせて、コスト削減が実現
- Optimal Bizのセキュリティ機能により、業務用端末を徹底的に管理。リモート操作/位置情報確認/アプリの表示制限などの機能により、セキュアな業務用端末の運用が可能に
航空照明部 篠原様
航空照明部 武田様
世界中の人が行き交う「日本の玄関口」成田国際空港。空港施設を健全な状態に保つために、施設の保全業務を担うNAAファシリティーズでは、作業現場へのスマートデバイス導入によって業務革新を行い、大幅な工数とコストの削減を実現しました。空港の機密情報を扱う同社にとって、スマートデバイス導入の際には一定の課題がありましたが、MDMソリューション「Optimal Biz」を採用することでセキュアな情報管理を可能にしたと言います。
本記事では、NAAファシリティーズ 航空照明部 航空照明課の篠原 香里氏と武田 祥平氏に、スマートデバイスの導入背景や効果、今回の取り組みを成功に導いた「Optimal Biz」について詳しく伺っています。
保守点検業務へのスマートデバイス導入で、大幅な工数・コストカットへ
-はじめに、貴社の事業内容とお二人の担当業務を教えてください。
篠原氏:
NAAファシリティーズは成田国際空港(NAA)グループの一員として、開港当時から冷暖房や電気、航空灯火といった重要インフラのメンテナンスやオペレーションを担ってきました。
その中でも私たちは、航空機の運航に欠かすことのできない「航空灯火」を保守・点検する“航空照明部”に所属しています。
夜間の空港を見ると、滑走路や誘導路、航空機が駐機している場所にはさまざまな灯火があることが分かります。光によって視覚的に航空機の離着陸・地上走行を支援する灯火や、駐機場を照らす灯火など、設置数1万4千以上にもおよぶ灯りが、日々の航空機運航の安全を支えているのです。航空照明部では、これらの設備の点検・整備を24時間365日休むことなくおこなっています。
私はそんな航空照明部にて、現場のバックアップをはじめとした管理業務を担当しています。
武田氏:
私は篠原と同じく管理業務を担当していますが、以前は現場業務も経験しました。現場業務では、深夜から早朝にかけて航空灯火の目視チェックや交換などを行っています。
-そうした航空灯火の保安・点検業務において、スマートデバイスをどのように活用されているのでしょうか?
篠原氏:
現在、スマートフォンとパナソニックのタブレットPC”TOUGHPAD”を使用しています。現場では冬場は氷点下に、夏場は照り返しで50度を超えるときがありますから、なるべく頑丈な端末を選定しました。
スマートフォンは、現場間の情報共有に活用しています。航空機の安全運航のためには、点検業務で見つかった現場の細かな変化などの情報共有が欠かせません。
主にビジネスチャットを利用して「設備が劣化している」「灯火が正常に点灯していない」といった情報や現場の写真を共有することで、素早いメンテナンス対応を可能にしています。
武田氏:
スマートフォン導入以前は、デジカメで撮影した写真を事務所に持ち帰っていたのですが、成田空港は千代田区とほぼ同じ広さで、写真を撮って事務所に戻るだけでも30分から1時間ほどかかってしまいます。その場ですぐに情報が送れるようになったことは、劇的な工数削減につながりました。
また、「照明監視室」という航空灯火を全体的に監視する場所があるのですが、そこからの指示と対応・報告もより素早くできるようになりました。
武田氏:
タブレットPCの主な用途は、電気配線図の閲覧です。たとえば修理のときなどに、電源の配線や灯火の配置などがどうなっているのかを細かく確認するために使っています。
篠原氏:
現場設備の図面は一式で約1,300枚もあり、もともとは電気配線図などの図面をまとめた分厚いファイルを何冊も持ち歩いて作業していたため、持ち運びに負担がかかっていました。また、紙による図面管理は煩雑で、設備が更新された際の差し替え作業も業務を圧迫していました。そこで、PDF化した図面をタブレットPCで閲覧できるようにしました。これによって現場への図面持ち運びの負担を軽減できたほか、紙とは違い図面の細かな部分も拡大して表示できるので、現場での図面閲覧性も向上しました。
また、年度が替わる際に図面を一斉に更新しており、従来は事務所や各作業車両用に合計で6000枚近く印刷していました。PDF化したことで、データを上書きすればよいので印刷の必要がなくなり、作業時間も5分で済むようになりました。もちろん、コスト削減にもつながっています。
スマートデバイス運用を支えるOptimal Biz。空港の機密情報を徹底管理
-空港の安全を守るために、情報の取り扱いに注意しなければならないことがうかがえます。スマートデバイスを導入するために、MDMのソリューション「Optimal Biz」を採用されていますが、どのように検討されたのでしょうか?
篠原氏:
さきほども申し上げたように、空港設備の図面や写真は機密情報です。第三者に悪用されるようなことがあってはならず、厳しい管理規程が設けられています。スマートデバイスを導入する際に真っ先に考えなければならなかったのが、情報管理の徹底でした。
機密情報を取り扱う端末には高いセキュリティ対策が求められるため、必要なソリューションを調査したところ、MDMの存在を知りました。
いくつかの製品を比較する中で、我々が求めるセキュリティ要件を満たせるのがOptimal Bizでした。Optimal Bizの多彩な機能によって「セキュアな業務用端末」を実現できたのです。
-管理者目線で見た、Optimal Bizの使用感と、Optimal Bizの導入によって得られた効果についてお聞かせください。
篠原氏:
一定期間通信がない端末やGPSがオフになった端末を検知して通知してくれるので、徹底的に業務用端末の監視・管理ができていると実感できます。いまやスマートデバイスを運用するにあたって欠かせないものとなっています。
そもそもOptimal Bizがなければスマートデバイスの導入自体が難しかったと思います。素早い情報共有や図面閲覧などスマートデバイスによってもたらされた業務効率化やコスト削減も、Optimal Bizなしでは実現できませんでした。
運用の幅を広げ、現場DXを加速化していく
-今後の現場DXの進め方についてお聞かせください。
武田氏:
現在、「RFIDの技術を使った所持品チェックの効率化」に取り組んでいます。現在は現場で工具の置き忘れがないよう、移動のたびに必ず全数チェックをしているのですが、これが実現すればその時間をぐっと短縮することができます。また、将来的には、スマートグラスなどのウェアラブルデバイスを活用して、さらに現場DXを進めていきたいと考えています。
篠原氏:
成田空港では2023年12月から、新しい滑走路を建設するための準備工事が始まりました。それにともない、航空照明部の保守範囲も今後拡大していくので、さらなる業務効率化は重要な使命であると感じています。
私たちは、成田空港に関わるすべての人々が快適かつ安心して過ごせるように、日々空港施設の保全業務をおこなっています。これからも安全の確保と効率性を両立した、付加価値の高い技術サービスを提供し続けるためには、現場DXが要であると考えます。その起点となるスマートデバイスの運用には、Optimal Bizが必要不可欠であり、今後のさらなる業務改革にも貢献してくれることを期待しています。
株式会社NAAファシリティーズ
(千葉県成田市、代表取締役社長 石澤 龍彦 2004年11月創立)
NAAファシリティーズ(NAFCO)は、空港で働き、空港を利用する、すべての人々に快適かつ安心して過ごしていただくために、空港施設の保全業務を中心に、成田空港の運営を担ってきました。これからも、安全の確保と効率性を踏まえた、付加価値の高い技術サービスを提供し続けていきます。