オンプレミスとは？クラウドやSaaSとの違いと特長を解説

自社でITシステムの構築や運用をするためには、オンプレミスやクラウドという方法があります。 オンプレミスとクラウドはそれぞれどのような意味なのか、近年よく聞くSaaSとはどのような位置づけなのか、それぞれを比較した場合にどのような違いがあるのか、それぞれのメリットとデメリットについても詳しく紹介していきます。

オンプレミスとは

IT用語での「オンプレミス」は、システムの稼働やインフラの構築に必要となるサーバーやネットワーク機器などのハードウェアおよびソフトウェアなどを自社で保有し運用するシステムの利用形態です。

premiseは土地や敷地を意味し、On-Premiseは「敷地内に」といった意味になり、転じて「組織や企業の施設内に設置された」という用法がなされるようになりました。

オンプレミスとクラウドとSaaSの違いは？

オンプレミス

以前では業務用に情報システムを運用するのに、サーバーや通信回線といった環境を自社に準備しシステムを構築して運用するオンプレミス型での運用のみが存在しました。

ところが2000年代後半にクラウドコンピューティングが浸透していったことによって業務に使用するシステムもクラウド型が採用されるケースが増加するようになりました。
このように時代が変わるに伴って「クラウド運用」と「自社運用」を区別する必要があったため、2010年ころから自社運用を「オンプレミス」と呼ぶようになったのです。

「オンプレミス」は、情報システムの運用では「クラウド」の対義語として使われる言葉と言えるでしょう。

クラウド

「クラウド」とは、現在では多くの企業がシステムの運用方法として導入しているオンプレミスとは対照的なシステム運用の方法です。

インターネットの高速化によってコンピュータの仮想化技術が進歩した2000年代後半ほどから普及を始め、自社にハードウェアや設備を設置せず、インターネットを経由し別のコンピュータ上のアプリケーションまたはデータを利用できるようになり、このような情報処理はクラウドコンピューティングと呼ばれるようになりました。

クラウドコンピューティングを使って提供されるクラウドサービスは、ハードウェアの購入やソフトウェアのインストールを必要としないで使用できる点などが特長です。

SaaS

「SaaS」とは、近年よく聞く言葉ですが、クラウドサービスの一形態です。Software as a Serviceの略で、クラウドサービスのうち、サービスの利用に必要なものがほとんどすべてのものの調達がオンラインで完結します。2010年代後半から広くサービスが展開されるようになりました。
クラウド上にあるサーバー、ソフトウェアを用いて提供され、多くの場合ではインターネットを経由し、与えられたアカウントを使ってアクセスします。オンプレミスで用意する必要があるすべてのもの、具体的にはサーバーの設置からソフトウェアのインストールまでがSaaSでは不要です。
数あるクラウドサービスの中では一番手軽に導入できる種類のサービスと言えるでしょう。
以下ではクラウドとして説明します。

オンプレミスとクラウドの違い

オンプレ導入時に必要なもの

オンプレミスを導入する際には、基本的にはすべてのシステムを自社で構築する必要があります。
ソフトウェアとハードウェアを自社で用意したうえで、各種ライセンスも取得しなければシステムを構築することができません。ソフトウェアのライセンス取得やインストール、ハードウェアには付属の機器が必要になります。それらを含むすべてを自社で準備するのでイニシャルコストが高額になりやすく、準備期間も長くなりがちです。

自社でメンテナンスや障害対応の実施する必要があること

運用が自社となるため、メンテナンスや障害対応の実施を自社で行う必要があります。
システムを理解している事業者の常駐が必要である可能性があり、注意が必要です。

オンプレミスの価格感は？

台数や規模によって変動しますが、「サービスの初期費用」「カスタマイズ費用」（あれば運用保守）を合わせた価格になります。
導入金額が高くなるため、クラウドと比較して高価なイメージがありますが、クラウドであってもオンプレミスと同じくらいにカスタムを行ったり、オプション機能を追加していくと、利用金額が大きくなります。ただし、導入時にサーバーやソフトウェアを用意する部分は負担になるかもしれません。それでもなぜオンプレミスを導入するのか、次節で説明します。

なぜオンプレミスを導入するのか

高度なセキュリティ要求を実現できる

オンプレミスは自社で所有する機器でシステム構成されているので、独自の高度なセキュリティ対策が実現できます。
また、閉域網で運用することで外部からの攻撃を受けにくくすることが可能であり、自社システムのため利用制限も自由に調整できるなどセキュリティのレベルを定めることが可能になります。
反面、昨今のランサムウェアにおける情報漏洩問題のように内側に入りこまれると脆弱になりがちであるため、手放しで運用出来るわけではありません。

カスタマイズ性が高い

オンプレミスは制限がないといっても過言ではないほどに、カスタマイズ性が非常に高いです。
既存のシステムとの連携も容易で、システムの仕様を自由に決められます。
また、他企業とシステムやインフラを共有することもないため安定した運用が可能になります。
クラウドサービスの利用とは違い、サービス提供者や環境の都合による仕様変更などの影響を受けることも少ないですが、全てを自社で賄う必要があるため、世の中のトレンドに合わせた運用変更が発生すると、対処の負担が大きくなる傾向があります。

Optimal Biz オンプレミスの特長

今も開発が続く、機能豊富なオンプレミス型MDM

オンプレミス環境のMDM製品は減少しつつありますが、Optimal Bizオンプレミスは開発が続いています。また 、クラウド版で提供されている機能はほぼ同じように利用することが可能です。

キャリア閉域を利用すればモビリティを担保

完全閉域だけでなく、キャリア閉域も選択可能なので社外への例外的な持ち運びにも対応できます。

クラウドが利用できないなら、完全閉域でデータを隔離、分離

関連するデータは、自社専用のMDMサーバー内に集約管理することで安全性を確保します。
なお、要件によっては、端末とMDMサーバー間の通信だけではなく、Apple、Googleといったプラットフォーマーとの通信も必要となるため、端末の選定時にそれらとの通信が可能かどうかを検討する必要があります。

構築・保守・テクニカルサポートも充実

お客様にご用意いただくのはハードウェアまたは仮想の環境調達と、サーバー証明書だけです。